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『金持ち父さん貧乏父さん』は、ロバート・キヨサキ氏が提唱する「お金の考え方」を根本から見直すベストセラーです。本記事では、簿記3級・FP3級を通じて私が得た気づきとともに、キャッシュフロークワドラントに進む前に知っておきたい5つの学びをわかりやすく要約します。
1. 「お金のために働く」のではなく、「お金を自分のために働かせる」
“中流以下の人間はお金のために働く。金持ちは自分のためにお金を働かせる”
これは「金持ち父さん」が語ったもっとも印象的な言葉の一つです。
多くの人は、給料をもらうために毎日働きます。
でも、この本で「金持ち父さん」はそうではなくて、「お金に自分たちのために働いてもらう」ことが大事だと教えています。
「お金に働いてもらう」とはどういうことでしょうか?
マクドナルドで例を挙げます。
マクドナルドはハンバーガーをお店で作って売っています。
もちろん社長1人が調理して販売しているわけではありません。
①お店を立て、②ハンバーガーの原料を買い、③調理器具を買い、④人を雇って、⑤ハンバーガーを売っています。
これは、①~④はお金を使って、⑤ ハンバーガーを売ることで、もっと大きな利益を得ているということになります。
社長の立場から見ると、①~④はお金を働かせていることになります。
2. 「資産」と「負債」の違いを理解する
「資産はポケットにお金を入れてくれるもの、負債はお金を出ていかせるもの」
本書で繰り返し強調されているのがこの定義です。この本で最も重要な考え方と私は思いました。
私は40歳を過ぎてから簿記3級を学び、この考え方の本質が腑に落ちました。
多くの人が「家」を資産と思われがちですが、住宅ローンや維持費などお金が出ていくものであれば、それは「負債」です。
ここで、簿記3級の知識を使ってみます。
例えば、銀行から住宅ローン3500万円を借りて家を購入した場合、帳簿を付けてみると次のようになります。
例:仕訳の視点から見る住宅購入
- (借方)現金 3,500万円 / 借入金 3,500万円(貸方)
- (借方)家 3,500万円 / 現金 3,500万円(貸方)
【貸借対照表】 家3,500万円 / 借入金3,500万円
➡ 3,500万円の借金を背負った状態になります。
この住宅ローンが年利1%で、毎年100万円ずつ返済した場合の帳簿を付けてみます。(初年度のみ)
例:仕訳の視点から見る住宅ローン返済
- (借方)借入金 65万円 / 現金 100万円(貸方)
- (借方)支払利息35万円 /
【損益計算書】 収入0円 / 支出35万円
➡ 35万円の赤字です。
住宅ローンに対して金利が必ず発生するため、私のポケットからお金が出ていきます。
このように、冷静に考えると貸借対照表の負債を大きくし、毎年金利(支出)が発生するものであることから、「家は負債である」と言えます。
「資産はポケットにお金を入れてくれるもの、負債はお金を出ていかせるもの」
この視点を持つことで、消費行動や投資判断にも大きな影響が出てきます。
3. ファイナンシャル・インテリジェンス(お金の知識)を高める
「金持ち父さん」は、ラットレース(働いても働いても支払いに追われる状態)から抜け出すには、「お金の知識」が不可欠だと強調します。
お金に関する4つの力を身につけることが重要です:
- 会計力:お金の流れを読む力
- 投資力:お金を増やす手段を見つける力
- 市場の理解力:世の中の動向を把握する力
- 法律力:税金などルールを知る力
私自身、簿記3級とFP3級を取得したことで、これらの力の基礎が身についたと実感しています。
また、お金持ちは税金にも敏感であると言われてます。
税金の仕組みは、ある意味で「ポケットからお金を強制的に出させて、政府を金持ちにする仕組み」とも言えるからです。
本書では「会社を作って節税する」ことも紹介されています。
会社員と事業主では、税金が取られる順番が違います。
- 会社員(雇われる側):1 稼ぐ → 2 税金を払う → 3 残ったお金を使う
- 事業主(会社を持つ人):1 稼ぐ → 2 お金を使う(経費)→ 3 税金を払う
会社員は経費を使えず課税所得を減らしにくいです。
しかし、事業主なら経費を活用して節税することができます。
これもFP3級で学んだため、より理解が進みました。
なお、この会社員と事業主の立場の違いについて、『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』でさらに深掘りされています。
『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』の要約はこちら👇

4. 「収入」だけでなく「学び」や「経験」を目的に働く
給料のためだけに働くのではなく、仕事を通じて得られるスキルや経験を重視することが、将来的な成功に直結すると本書では説かれています。
ロバート・キヨサキ氏も、若い頃に営業の仕事を通じてプレゼン力やリーダーシップを学び、その後のビジネス成功に大きく寄与したと述べています。
私自身も普段の仕事で、書類を書く、プレゼンするといったことが多いので、結果として、幅広いスキルが身につき、今に活かせています。
5. 感情に振り回されず、冷静にお金を管理する
「恐怖」や「欲望」は、お金の使い方に影響を与える大きな感情です。しかし、それに流されると間違った判断をしがちです。
「金持ち父さん」は、こうした感情に対して自覚的になり、冷静に行動することの大切さを教えています。
特に投資の場面では、「損をしたくない」という恐怖から動けなかったり、「今がチャンスだ!」という欲からリスクを見誤ったりすることがあります。自分の感情のクセを理解し、それをコントロールすることが、経済的自由への大きな一歩となります。
実践編:行動を妨げる5つの障害と10のステップ
本書は理論だけではありません。行動へと移すため実践編として「5つの障害」と「スタートを切るための10ステップ」も紹介しています。
- 恐怖心:お金を失うことに対する恐怖心
- 臆病風:悪い方にばかり考えて臆病になる
- 怠け心:忙しいことを理由に怠ける
- 悪い習慣:自分への支払いを後回しにする悪い習慣
- 傲慢:無知を隠すために傲慢になる
- 強い目的意識を持つ―—精神の力
- 毎日自分で道を選ぶ―—選択する力
- 友人を慎重に選ぶ―—協力の力
- 新しいやり方を次々と仕入れる―—速習の力
- 自分に対する支払いをまずすませる―—自制の力
- ブローカーにたっぷり払う―—忠告の力
- 元手はかならず取り戻す―—ただでなにかを手に入れる力
- ぜいたく品は資産に買わせる―—焦点を絞ることの力
- ヒーローを持つ―—神話の力
- 「教えよ、さらば与えられん」―—与えることの力
中でも私が深く共感したのは、この言葉:
「教えよ、さらば与えられん」
自分が欲しいと思うものを「先に与える」。これをすることで何倍にも大きくなって返ってくることを示しています。
金持ち父さんもロバート氏も、知識や経験を惜しみなく共有することをモットーとしてきました。
「金持ちだから気前がいい」のではなく、「気前がいいから金持ちである」ということに納得しました。
【関連リンク】キャッシュフロークワドラントとは?|金持ち父さんの次なる教え
『金持ち父さん貧乏父さん』から学んだことを踏まえて、次に『キャッシュフロークワドラント』を読むことをオススメします。
キャッシュフロー・クワドラントとは、ロバート・キヨサキ氏の著書『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』で紹介されている、お金の稼ぎ方を4つのタイプに分類する考え方です。
このクワドラント(四事象)は、あなたが「収入をどこから得ているか」によって、どのカテゴリーに属するかが決まります。
・ E:従業員(employee)
・ S:自営業(self-employed)
・ B:ビジネスオーナー(business owner)
・ I:投資家(investor)
資産と負債の違いを理解し、お金の流れがわかるようになると、「この買い物は誰を金持ちにするものか?」と考えられるようになります。
例えば、先の住宅ローンの例では、住宅ローンを借りた人には負債(返済する義務)、貸した銀行には債権(お金を返してもらう権利)が発生します。
銀行は、「債権」という「資産」を手に入れたことになり、何もせずとも利息分の収入が発生します。つまり、銀行をお金持ちにしていることになります。
銀行は、お金を貸すことで資産を手に入れ、利息という新たな収入を得ているので、I:投資家のポジションに属していることになります。
『キャッシュフロー・クワドラント』では経済的自由を目指すためには、自分がどのポジションを目指すべきか、各ポジションの特徴が解説されています。
『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』の要約はこちら👇

まとめ|『金持ち父さん貧乏父さん』は経済的自由の入門書
『金持ち父さん貧乏父さん』は、「お金のために働く」という常識を打ち破り、「お金を働かせる」という新しい視点を教えてくれる本です。
資産の考え方を見直し、ラットレースを抜け出すための知識とスキルを学ぶことができる良書です。
お金持ちになりたい人、経済的自由を目指す人にとって、まちがいなく必読の書と言えるでしょう!
あわせて簿記3級、FP3級を学ぶことで、一層理解が深まります。