キャッシュフロー・クワドラントを要約|『金持ち父さん貧乏父さん』の次に読むべき一冊

金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラントの本の表紙|キャッシュフロー・クワドラントを要約

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『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』は、収入の得方を4つのタイプ(E・S・B・I)に分け、経済的自由を目指すための指針を示す一冊です。

前作『金持ち父さん貧乏父さん』で学んだお金に対する考え方を、どのように行動へ移すかを教えてくれます。

より速く経済的自由を手にするには、考え方の変化と実践力が不可欠であり、人生の舵取りを見直すきっかけを本書は与えてくれます。

はじめに:なぜこの本を読んだのか?

金持ち父さんシリーズの本を読む前は、「お金に欲深い人間と思われるかも」と思い、読むのを少し躊躇していました。 しかし、実際に読んでみると、ただのマネー本ではなく、“どんな生き方を選ぶのか”を深く問いかけてくる内容であり、価値観が大きく揺さぶられました。

前作『金持ち父さん貧乏父さん』は、お金に対する考え方や、資産と負債の違いといった基本的なお金の知識を学ぶ入門書として非常に有名です。私自身も、はじめてこの本を読んだとき、「持ち家は負債」という発想に目からウロコが落ちるような感覚を覚えました。

一方、『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』は、その次のステップとして「では、どうやって経済的自由に向かって行動していくか?」というより実践的な指針を与えてくれる本です。4つのクワドラント(四象限)という視点から、自分の現在地を知り、どこに向かうべきかを考えることができます。

つまり、前作が「考え方の革命」をもたらす本であるとすれば、本書は「人生の地図とコンパス」を与えてくれる本だといえるでしょう。

ちょうど社内で昇格した頃、仕事と収入の関係に限界を感じていた私はこんな疑問を持ち始めていました。

「いずれ年をとって今のようにバリバリ働けなくなった時、収入はどうなるのだろう?」
「時間を切り売りする働き方をこのまま続けていて大丈夫だろうか?」

この本は、そんな私の疑問に答えてくれる一冊でした。

収入の種類によって人の人生は大きく変わること、そして自分の立ち位置を変えることで、将来の自由も変えられることに気づかされました。立ち位置を変えるために何をすべきか考えさせられる本でした。

前作『金持ち父さん貧乏父さん』を把握しておくと、本書の内容を一層理解が深くなります。要約はこちら👇

ロバート・キヨサキ著『金持ち父さん貧乏父さん』の日本語版表紙画像 『金持ち父さん貧乏父さん』を要約|キャッシュフロークワドラントの前に読むべき5つの学び

キャッシュフロー・クワドラントとは?

『キャッシュフロー・クワドラント』は、私たちの収入の得方を4つのクワドラント(区分)に分けて整理しています。あなたがどのクワドラントにいるかは、収入源によって決まります。

「キャッシュフロー・クワドラント」 収入の得方でE,S,B,Iの4つに区分される。
  • E(従業員):企業や組織に雇われて給料をもらう人。
  • S(自営業):自分のスキルで働き、自らの時間を切り売りする人。
  • B(ビジネスオーナー):他人の力を使って仕組みで収入を得る人。
  • I(投資家):お金に働かせて収入を得る人。

4つのクワドラントの違いを、「マクドナルド」で例えてみると、

  • E(従業員):マクドナルドの店舗で働くアルバイトや社員。時間を提供して給与を得ています。
  • S(自営業):元マクドナルド店員が、自分でハンバーガーショップを開業し、調理から経営まで一人でこなしている個人店主。すべての責任と利益が自分に返ってきます。
  • B(ビジネスオーナー):マクドナルド本社やフランチャイズのオーナー。自分が現場にいなくても、人やシステムが動いて収入を生み出します。
  • I(投資家):マクドナルドの株を保有している投資家。自分は働かず、配当や株価の上昇から利益を得ます。

このように、同じ「マクドナルド」という企業を取り巻く人々でも、どのクワドラントに属するかによって、収入の仕組みや働き方はまったく異なります。

各クワドラントの特徴とマインドセット

各クワドラントの特徴をまとめました。

E:従業員(Employee)

ほとんどの人がEに該当します。Eに属する人は「安定」を求める強い傾向にあります。

  • 特徴:会社や組織に雇われて働くことで収入を得る人々。自分の時間と労働力を提供し、給与としてお金を受け取ります。
  • マインドセット:「安定」や「福利厚生」を重視し、お金よりも安全・安心を優先する傾向。
  • メリット:収入が安定し、働き方が明確。法的な保護も厚い。
  • デメリット:収入の上限があり、病気や怪我によって収入が止まるリスクも。

S:自営業(Self-employed)

Sに属する人は、「自分の専門性」や「状況を自分でコントロールできること」を重視します。

  • 特徴:医者、弁護士、フリーランスなど。自分で自分を雇い、自分のスキルで稼ぐ。
  • マインドセット:独立心が強く、他人に任せることが苦手。「自分の仕事は自分でしかできない」と考える。
  • 補足:YouTuberやブロガー、デイトレーダーなどもこのタイプ。

B:ビジネスオーナー(Business Owner)

Bに属する人は、他人を使って「仕組み」を作ります。S(自営業)と決定的に違う点は「他人に任せることができる」という点。

  • 特徴:自分がいなくても収益を生み出す「仕組み」を所有している人。
  • マインドセット:人を信頼して任せる力がある。他人の力を活かして事業をスケールさせる。
  • システム例:独自のビジネスモデル、フランチャイズ、メディア運営など。

I:投資家(Investor)

Iに属する人は、文字通り、自分のお金を投資して稼ぎます。投資できるほどの資産を所有しています。

  • 特徴:お金を使ってお金を生み出す人。株式投資や不動産投資など。
  • マインドセット:資産を守り、増やす知識に長けている。リスクを分析し、コントロールできる。
  • 最終目標:経済的自由を実現する最終地点。お金が働く状態をつくることがゴール。

経済的自由になるためには?

クワドラントの「左側」(E・S)から「右側」(B・I)へ移ること

キャッシュフロー・クワドラントの左側(E:従業員、S:自営業)を強調した図。収入に限界があり、時間と労働力を切り売りする働き方を表す。

「左側」のEとSのクワドラントは、「個人の時間と労働力に収入が依存する」という大きな制約があり、収入に限界があります。

このことが経済的自由への道を遠ざけてしまいます。

「右側」にあたるBとIのクワドラントこそが、経済的自由を得るカギなります。

キャッシュフロー・クワドラントの右側(B:ビジネスオーナー、I:投資家)を強調した図。継続的に収入を得る仕組みを所有する金持ち父さんの考え方を表す。

「右側」(B・I)は、自分で働かなくても収入を得る手段があります。

B(ビジネスオーナー)は、自分自身が働かなくても収入を生み出す「ビジネスシステム」を所有しています。自ら働く代わりに優秀な人材を雇い、システムを運営させることで利益を得ます。

I(投資家)は、自分自身が働かなくても収入を生み出す「資産」(例:株式や不動産)を所有しています。自分の代わりにお金に働いてもらうことで収入を得ます。

また、左側(E・S)のクワドラントと違って、右側(B・I)は収入に限界がありません

著者のロバート・キヨサキ氏は、真の経済的自由を手に入れるためには、「左側」E・S)のクワドラントから「右側」(B・I)のクワドラントへの移行が不可欠であると強調しています。特に、まずビジネスオーナーとして成功し、その後投資家となる道(B→I)が推奨されています。

「左側」から「右側」へ移る時の注意点

クワドラントを移動する際には注意が必要です。

それはEからBに移ったつもりが、実はEからSに移っていたことです。EからSに移っても、「自分の時間を切り売りして収入を得る」という構造は変わりません。独立しても、働き続けなければ収入が止まる状態では、真の自由とはいえないのです。

ここで理解しておきたいのが、Sは「仕事」を持ち、Bは「システム(仕組み)」を持っているという違いです。
この違いを意識しないまま独立しても、労働の束縛からは抜け出せません。

Bクワドラントを目指す一つの目安として、こんな指標があります。

あなたがビジネスの現場から1年以上離れても、売上や利益が伸びていれば、それはBのビジネス

逆に、あなたがいないと事業が止まるようであれば、それはまだSの状態にとどまっていると考えられます。

真のビジネスオーナーとは、自分が現場にいなくても収入を生み出す仕組みを持っている人なのです。

経済的自由を目指すための心構えと実践ステップ

経済的自由を手にするためには、具体的な方法だけでなく、心構え(マインドセット)も重要です。

  1. BE(なる)、DO(する)、HAVE(持つ)の順番で考える
    「何をするか」よりも「どんな人間になるか」が重要です。お金持ちになりたいなら、まずお金持ちの考え方やマインドを身につけることから始めましょう。
  2. 感情をコントロールする
    「お金に関して大人になる」必要があります。やりたくないことでも、やるべきと分かっているなら実行に移す強さが必要です。感情に流されず、論理的な考え方ができるようになれば、経済的自由にたどり着くことができます。
  3. 自分のために働くことを考える
    他人をお金持ちにするために働くのではなく、自分の人生をコントロールするために働きましょう。
  4. 「無知であること」が危険だと知る(ファイナンシャルインテリジェンス)
    「投資は危険」ではなく、「無知こそが危険」。資産と負債の違いを理解し、知識と行動でリスクを管理しましょう。
  5. 「よき師」を見つける
    すでにBやIクワドラントで成功している人を見つけ、その人から学ぶことが近道です。
  6. 長期的な見通しと複利の力を利用する
    目先の利益にとらわれず、時間を味方につけて資産や知識を育てましょう。
  7. 「ラットレース」から抜け出す
    給料のために働き続ける生活から抜け出すには、支出より先に投資・貯蓄を優先する習慣を持つことが大切です。

私が共感したポイント(感想・気づき)

私自身は、いわゆるEクワドラントに属しています。会社に勤めて安定収入を得ている一方で、働けなくなれば収入も止まるという不安も常に感じていました。

本書を読んで最も衝撃的だったのは、「働かなくても収入が入る仕組み」を作ることの重要性です。特に、Bクワドラントの考え方――自分がいなくても回るビジネスモデル――に強く惹かれました。自分も将来的にはそちら側に移行したいと素直に思いました。

また、「なる」ことの大切さ――ただ何かを”する”のではなく、マインドを変えて”そういう人間になる”という姿勢――は、日々の行動を見直す大きなヒントになりました。

まとめ:この本が与えてくれたもの

『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』は、単なる「マネー本」ではなく、人生の舵をどこに切るかを考えさせてくれる指南書でした。

前作『金持ち父さん貧乏父さん』で得た気づきを、さらに実践的な行動につなげてくれるのがこの本です。

収入の仕組みを変えれば、人生の自由度も変わる――この本を読んで、私は自分の未来を少しずつでも変えていきたいと感じました。

「金持ち父さんシリーズ」を読むなら、この順番がおすすめです:

  1. 金持ち父さん貧乏父さん(マインドセットを学ぶ)
  2. キャッシュフロー・クワドラント(行動の方向性を学ぶ)